まるでハロウィーン 小郡市の「名月さん」
「中秋の名月」の夜に、毎年、福岡県小郡市では「名月さん」と呼ばれる伝統行事が行われている。
福岡県小郡市の大板井本村地区。きれいな月があがった午後7時ごろ、子どもたちが続々と外に集まってきた。リュックサックやかばんを持った子どもたちは、地区一帯を練り歩き始めた。
子どもたち「名月さんあがりましたか~」
玄関先に入っては、何かをもらっていく。
男の子たち「(Q:何しに来たの?)名月さんのお菓子もらいに来ました」
もともと、「名月さん」はその年の収穫に感謝し、満月にお供えをする行事だった。「名月さんにお供えものはあがりましたか?」と聞いて供えものをお裾分けしてもらう風習が今も残されている。まるでハロウィーンのようだが、少子化や防犯のため、大板井本村地区でも一部でしか行われていないという伝統行事だ。
嫁いでから30年来、行事に参加している女性「大昔からあったと思う。そのころは柿とかさつまいもだった」「(Q:お菓子いっぱい用意するの大変じゃないですか?)そうそう。70人ばかり用意したけれど、良い物はすぐなくなった」
中には車で子どもたちを待つ人も…。
車で参加している女性「地区から1軒だけ離れているので。上の子から順番にいただいてきたので、お返しをかねて車でがんばっている」
参加した女の子が見せてくれたビニール袋はお菓子で満タン。「(Q:どのくらい回ったの?)けっこう、いっぱい」「(Q:名月さんはどんな行事?)楽しみ」
車で参加した女性は、「近所の人が声をかけてくれることも楽しみの一つ」と話す。
名月のもと交わされる地域の交流、これからも続くことを祈って-月に願いを。