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「患者申出療養制度」患者団体が懸念表明

2015年9月9日 21:50
「患者申出療養制度」患者団体が懸念表明

 来年4月に始まる予定の「患者申出療養制度」について、がんや難病の患者団体が懸念を表明した。

 「患者申出療養制度」は、患者が希望して認められれば、現在は組み合わせることが原則認められていない健康保険が適用される従来の治療と、新しい抗がん剤を使うなどまだ保険が適用されない治療とを組み合わせることができる制度。

 現在の制度では、保険が適用されない新しい治療を組み合わせた場合は、通常は保険が適用される従来の治療の費用も自己負担となるが、「患者申出療養制度」では、新しい治療分のみ全額自己負担で、従来の治療分は保険が適用され、自己負担は3割などで済む。

 この「患者申出療養制度」を審議している協議会に出席したがんや難病の患者団体は9日、制度に懸念を表明した。

 全国がん患者団体連合会・天野慎介理事長「新しい未承認薬は薬価が非常に高いですので、患者さんの負担は増えてしまいますし、もし自己負担のままということになってしまいますと、患者さんの経済力によって、使える患者さんと使えない患者さんの格差が出てくると思います」

 がんや難病の患者団体は「安全性や有効性が認められた新しい治療法については、保険が適用される治療との併用を認めるにとどめず、速やかに保険適用して、誰もが自己負担の少ない形で治療を受けられるように担保してほしい」などと意見を述べた。

 協議会は今月中に制度の詳細をまとめる予定。