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子供の心臓は子供への移植優先 基準改正へ

2015年7月31日 0:47

 18歳未満の脳死の子どもから提供された心臓について、18歳未満の子どもへの提供をより優先するよう基準を改正する方針が、30日に開かれた厚生労働省の臓器移植委員会で了承された。

 現在の基準では、18歳未満の子どもが脳死と判定され、心臓が提供される場合、移植を受ける側としては、補助人工心臓をつけるなど最も症状の重い「ステータス1」の患者のうち、まずは18歳未満、次に18歳以上の人が選ばれる仕組みになっている。

 しかし、仮に、18歳未満の子どもの中に血液型が合う人がいない場合は、18歳以上の重症者に心臓が提供されることになり、子どもへの提供を優先すべきではないかという声が出ていた。

 このため臓器移植委員会は、18歳未満の子どもが提供する心臓については、移植を受ける側の優先順位を決める基準を変更し、最優先は18歳未満のステータス1の患者、次には、18歳未満の子どもで、症状は重いものの人工心臓をつけていないなどの「ステータス2」の患者、ついで、18歳以上60歳未満の「ステータス1」の患者を選ぶことになった。

 厚生労働省によると、患者選定システムの改修などの準備が必要なため、新しい基準の運用開始は、秋から年内になりそうだという。