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実情に沿った議論を…南スーダンPKO取材

2015年7月25日 8:31
実情に沿った議論を…南スーダンPKO取材

 安保関連法案のうち、これまでほとんど議論されてこなかったテーマの一つにPKO法改正の問題がある。法案が成立した場合、危険度の高い「治安維持」などの任務に携わることになる自衛隊員をアフリカの南スーダンで槻木亮太記者が取材した。

 日本は、2011年から自衛隊を南スーダンのPKOに派遣し、道路整備などインフラの構築を行ってきた。これまでに250以上の事業を行い、現地では感謝の声も多く寄せられるという。しかし2013年に治安が悪化し、自衛隊はPKO部隊の敷地外での活動を中止。去年1月には自衛隊宿営地のすぐ近くで銃声がしたため、当時の隊長は全隊員に対し、正当防衛にあたる場合に限って、異例の射撃許可を出した。

 その後、宿営地以外での活動を再開したが、今の国会で審議されている安全保障関連法案が成立した場合、現在は制限されている、パトロールや検問といった、危険度の高い活動に任務が広がる可能性がある。

 陸上自衛隊南スーダン派遣施設隊・山下博二隊長は「実際そういった任務がいかなる方向に変化しても、与えられた権限、そして編成と装備で最善を尽くすというのが我々の役割なので、いかなる任務においてもしっかり対応を進めなければならないのだろうと思います」と語った。

 現場の自衛官の任務に対する士気は高いと感じた。その安全をどう確保しながら、国際貢献をしていくのか。より現場の実情に沿った議論が求められている。