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ユネスコ事務局長「イスラム国」侵入に懸念

2015年5月22日 1:28
ユネスコ事務局長「イスラム国」侵入に懸念

 過激派組織「イスラム国」は21日、シリア中部の街・パルミラを完全に制圧した。世界遺産のパルミラ遺跡が破壊される懸念が深まっている。

 イギリスに拠点を置く「シリア人権監視団」は21日、「イスラム国」がパルミラを完全に制圧したと明らかにした。「イスラム国」側も21日、ラジオ局を通じて、「空港や刑務所を抑え、完全に制圧下に置いた」と主張した。

 街の南西部には古代ローマ時代の神殿などが残る世界遺産「パルミラ遺跡」があるが、「イスラム国」はこの遺跡群がある地区にも侵入したという。「イスラム国」はこれまでにも、偶像崇拝につながるとして遺跡や文化財の破壊を繰り返しているだけに、パルミラ遺跡も破壊されるのではとの懸念が深まっている。

 一方、ユネスコ(=国連教育科学文化機関)のボコバ事務局長は21日、滞在先の韓国でインタビューに応じ、パルミラ遺跡に「イスラム国」が侵入したことに懸念を示した。

 ボコバ事務局長「遺産を破壊したからといって、敵に勝利したことにはならない」

 ボコバ事務局長は遺跡を破壊しないよう呼びかけるとともに、即時停戦を求めた。