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“脅迫文”ルートたどると…バンコク→香港

2015年3月13日 20:21
“脅迫文”ルートたどると…バンコク→香港

 教職員らに現金を要求する脅迫文が送られている問題で、脅迫文は沖縄を除く全国46都道府県・2500人以上に届いていたことが新たにわかった。現金の送り先として指定されたルートをたどると、たどり着いたのは中国・香港だった。

 教職員らの自宅に一斉に届いた脅迫文には「教え子の親から復讐(ふくしゅう)を依頼された」としていて、やめてほしければ現金300万円を送るよう要求している。現金の送り先として指定されていたのはタイの首都・バンコクにある4階建てのアパートの一室だ。アパートにはタイの地元警察が姿を見せ、関係者らから話を聞いてまわったという。

 NNNが現地で日本人の男性を取材した。男性は住所を貸して郵便物を受け取る代行などの仕事をしていて、今年1月、日本人女性を名乗る人物からメールで依頼があり、その後、現金の送付先となっているアパートの住所を提供したという。さらに、男性は「それ(郵便物)を香港の住所に送って下さいという指示はうけていますね」と話している。

 転送先の香港の住所はビルの一室で、日本人が経営する業者があった。転送先の住所にいた男性によると、バンコクから転送される郵便物を受け取るよう日本人女性を名乗る人物からメールで依頼されていたという。実際に送られてきたメールには「荷物を取りに行く時に月3万円を支払う」と書かれていた。バンコクで郵便物を転送するよう依頼されていた男性も、日本人女性を名乗る人物とメールでやり取りをしていたという。ただ、この時に使われていた名前は違う人物のものだった。

 脅迫文のほとんどには、徳島中央郵便局の消印が押されていたほか、今年1月下旬発行の動物が描かれた切手が使われている。切手の値段は82円なので、2500人以上に届いている脅迫文は少なくとも切手代だけで20万5000円となる。また、封筒の宛先は手書きで書かれている。ただ、千葉県と茨城県と届いた封筒を見ると、「様」の字の筆跡はかなり違うように見える。

 また、脅迫文は7年前に死亡した元教職員や20年以上前に統廃合し、いまは存在しない茨城県内の住所にも送られていて、かなり古い教職員名簿が悪用されたとみられている。徳島県警など一部の警察は、すでに恐喝未遂事件として捜査を始めている。