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イスラエル首相、オバマ政権に強い警戒感

2015年3月4日 6:37

 アメリカを訪問しているイスラエルのネタニヤフ首相は3日、議会で演説し、イランの核開発問題をめぐる協議について「間違った合意なら、ない方がいい」と述べ、合意を目指すオバマ政権に強い警戒感を示した。

 通常は友好親善をアピールすることの多い外国指導者の議会演説だが、今回、ネタニヤフ首相はほとんどの時間をアメリカ政府とは対立する持論に費やした。核協議は今月末までの枠組み合意を目指し、大詰めを迎えているが、ネタニヤフ首相は「イランがテロリストを支援し、イスラエルや世界の脅威になっている」と主張、アメリカなど各国がイランに譲歩することに強い警戒感を示した。

 ネタニヤフ首相「間違った合意をするなら、ない方がいい。これは非常に間違った合意だ。ない方が断然ましだ」

 ネタニヤフ首相はさらに、「イランの核計画の制限は10年間で自動的に失効してしまう」と現在の交渉内容に触れ、合意に徹底して反対する姿勢を示した。

 そもそも今回の訪米は、イランに強硬な姿勢をとる野党・共和党の招きで、ホワイトハウスの頭越しに決まった。これに反発して首脳会談も設定しなかったオバマ大統領は、首相の演説について「実行可能な代替案を示しておらず、特に新しい内容はない」と述べ、引き続きイランとの合意を目指す姿勢を強調した。

 中東の安全保障問題とアメリカ国内の党派対立がからみ、両国の関係修復は一層困難になる。