×

イラク軍 本格的な“地上戦”を開始

2015年3月3日 18:06

 過激派組織「イスラム国」が制圧するイラク北部の主要都市で、イラク軍が本格的な地上戦を開始した。支配地域の拡大を続けていた「イスラム国」への反転攻勢。局面を変えることになるのだろうか。

 戦車などによる激しい砲撃を行うイラク軍。砂煙の中、兵士たちが歓声を上げる。イラク軍は2日、北部の主要都市・ティクリートで本格的な地上戦を開始した。着弾した場所からは灰色の煙が上がっている。

 イラク軍兵士「『イスラム国』の連中と戦う準備はできている。ティクリートでやつらを倒す」

 イギリスBBC放送などによると、イラク軍の規模は約3万人。ティクリート郊外の一部を奪還し、「イスラム国」の戦闘員60人が死亡、イラク政府側にも16人の死者が出たという。この作戦について、アメリカ国防総省は2日、空爆などの支援は行っていないとしている。

 今回のティクリート奪還作戦、なぜ行われたのか。

 「イスラム国」は、これまでにシリアとイラクの広い地域を支配している。イラクでは主に北部で支配圏を広げ、去年6月には第2の都市・モスルに加えて首都・バグダッドの北約130キロにある主要都市・ティクリートを立て続けに制圧した。それ以降、イラク軍による大規模な奪還作戦は初めて。

 イラク軍は近く、アメリカなどと共同でモスルの奪還作戦を始めるものとみられるが、ティクリート奪還作戦はそれに向けた試金石となる。

 イラクのアバディ首相は1日、「『イスラム国』のテロから人々を解放するための重要な作戦」だと強調した。