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赤字改善が柱 医療保険制度改革、閣議決定

2015年3月3日 21:41

 自営業や無職の人が加入する国民健康保険の運営を、市町村から都道府県に移して赤字を少しでも改善することなどを柱とした医療保険制度改革が閣議決定された。

 政府が3日に閣議決定した医療保険制度改革では、自営業や無職の人などが加入する国民健康保険の改革が柱となっている。国民健康保険は高齢の加入者が多いため、医療費が増え続ける一方で、保険料を支払う若い世代では、所得が低い人や無職の人が増え、集まる保険料が減っている。

 このため、多くの国民健康保険組合が赤字となっていて、組合を運営する市町村はその赤字分を税金で補填しなければならず、大きな課題となっていた。

 今回の改革では、財政を安定させるために、2018年度に国民健康保険組合の運営を市町村から都道府県に移すとともに、税金で年間合計3400億円を補助する。

 国民健康保険の改革以外では、75歳以上の高齢者の医療保険を支えるために現役世代が出している「支援金」の分野で、大企業の健康保険組合の負担分を増やす。このため、大企業の社員の保険料が上がる見込み。

 一方、患者側の改革としては、入院の際の食事代を今の1食260円から、段階的に引き上げて、2018年度には、1食460円とする。ただし、住民税非課税世帯の人などは引き上げない。

 また、大病院を救急や高度な医療に専念させるため、2016年度からは、紹介状なしで大病院を受診する場合は、5000円から1万円の自己負担を求めることにしていて、具体的な金額は、今後決めるとしている。

 政府は、今の通常国会で関連法の改正をめざす。