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「東電なぜ裏切った」漁業者からは怒りの声

2015年2月25日 16:53
「東電なぜ裏切った」漁業者からは怒りの声

 福島第一原発で高い濃度の放射性物質を含む雨水が海に流れ出ていた問題で、東京電力は、去年の春に事実を把握していながら公表していなかった。東京電力の対応に福島県や漁業者から批判の声が上がっている

 この問題は、2号機建屋の一部屋上から濃度の高い雨水が雨どいと排水路を通じて港湾の外の海に流れ出ていたもので、東電が24日の会見で初めて公表した。東電は、雨が降るたびに排水路の濃度が上昇することを去年4月の時点で把握していたが、24日まで原因が特定できておらず、排水路を清掃することで数値が下がると考え、公表しなかったと説明している。

 これに対し、漁業者からは怒りの声が上がっている。

 いわき市漁協・矢吹正一組合長「(廃炉作業を)一刻も早く収束させるには、妥協する点もある、漁業者をなだめて、東電の話も信用していた。ところが、なぜ裏切ったのか」

 また、福島県は25日、緊急の幹部会議を開き対応を協議した。

 福島県・内堀知事「情報の速やかな公表とその意識の徹底という基本がなされず、極めて遺憾」

 事態を重く見た県は、近日中に第一原発で立ち入り調査をして必要な対策を求めることにしている。