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廃炉作業を調査 IAEA調査団が報告書

2015年2月17日 22:00
廃炉作業を調査 IAEA調査団が報告書

 福島第一原発の廃炉作業について3回目の調査を行っていたIAEA(=国際原子力機関)の調査団は一連の視察などを終え、17日、調査報告書を発表した。

 報告書では、汚染水を増やさないために実施している地下水バイパスや、4号機の使用済み核燃料プールからの核燃料取り出しが完了したことについては、2年前の前回調査時よりも改善していると評価をしたものの、「状況は依然、大変複雑」だとしている。

 調査団のレンティッホ団長は記者会見で、汚染水対策が直近の課題だとした上で、多核種除去設備(=ALPS)で処理された放射性トリチウムを含む水について、次のように話した。

 「環境への影響がほぼ無視できることが確認されれば、(ALPS処理水を)海へ放出することは、福島第一原発の状況を大幅に改善できる有力な選択肢だ」

 ただし、実際の海洋放出にあたっては、漁業関係者や地元住民による受け入れや丁寧な放射能モニタリングが欠かせないとしている。