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防災対策庁舎 保存巡り県が提案 南三陸町

2015年1月28日 22:22
防災対策庁舎 保存巡り県が提案 南三陸町

 東日本大震災の津波で町職員ら43人が犠牲となった宮城県南三陸町の防災対策庁舎を巡って、村井知事は28日、南三陸町の佐藤町長と会談し、庁舎を期限付きで県有化して維持管理を行うことなどを提案した。

 28日朝、村井知事は庁舎に花を供え、犠牲者を悼んだ。この後、南三陸町の町役場で行われた佐藤町長との会談で知事は、防災対策庁舎を震災から20年となる2031年まで県有化して維持管理を行い、その後に町が保存の是非を判断することを提案した。県有化するとした期間は、広島の原爆ドームの事例を参考にしたという。

 保存費用の問題から、庁舎の解体を2013年に決断していた南三陸町の佐藤町長は、今回の提案を受けて様々な角度から精査をしながら検討する考えを示した。

 佐藤町長「おととし9月に解体を決断して、1か月後に国の財政支援の方針が打ち出され、当時の環境を考えれば財政の問題は様変わりした」「今の時点でどのように進めるかはまだ白紙」

 村井知事「今の段階では机を向かい合わせにして賛成か反対かをやると感情的になり冷静な議論ができない。(判断までの)時間を設けることが賢明な選択だと」

 知事は今後、町から要望があれば住民に直接説明する考えも示した。