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写真公開の兄弟を実行犯と断定 新聞社襲撃

2015年1月9日 10:53

 フランスのパリにある新聞社が銃で武装した2人組の男に襲われ、12人が死亡した事件で、フランス政府は8日、すでに顔写真を公開している34歳と32歳の兄弟を実行犯と断定した。目撃情報があったフランス北東部を中心に行方を追っている。

 フランスのカズヌーブ内相は8日、犯人が逃走に使った車に残された身分証明書などから、アルジェリア系フランス人の兄弟、サイード・クアシ容疑者とシェリフ・クアシ容疑者を実行犯と断定したと述べた。

 カズヌーブ内相「サイード・クアシは写真により、正式に実行犯と認識された。サイードと弟のシェリフは、以前から捜査当局にマークされていた」

 また、これまでに9人を拘束して取り調べている他、2人の自宅や近親者の関係先を家宅捜索したという。

 捜査当局は2人の目撃情報があったパリ北東約80キロの町の周辺を集中的に捜索している。AFP通信などによると、2人は8日朝、この町のガソリンスタンドで、自動小銃などで武装している姿を目撃されており、ガソリンスタンドから食料などを奪った上、周辺で車を乗り捨て、逃走したという。

 こうした中、襲撃された新聞社の前には多くの市民が訪れ、花を供えて犠牲者を悼んだ。オランド大統領は8日を国民が喪に服す日と定め、正午にはフランス各地で黙とうがささげられた。また、観光名所であるエッフェル塔の照明を5分間消し、犠牲者への哀悼の意を示した。