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政治がわかる!政治家の注目発言ベスト3

2014年12月23日 18:33
政治がわかる!政治家の注目発言ベスト3

 今年もまもなく終わるが、政治部がこの一年(1月1日~12月22日)で取材した1万2606本のテープの中から青山和弘解説委員が選んだ「政治家の注目発言ベスト3」を発表する。

 ○第3位 民主党・海江田万里代表「今年一年は自民党の政治にしっかりと対峙できる勢力にならなくては」

 総選挙でトップが落選する事態に追い込まれた民主党。実は、今年1月、海江田代表が口にしていたこの発言が第3位となった。今年の初めから自民党に対抗できる勢力になることを目標にしていた。党の立て直しが今最大の課題とされているが、それは、実は今年の目標でもあった。

 関連してもう一つ注目の発言がある。今年9月、民主党の枝野幹事長は幹事長就任直前に「年内総選挙だとみている。それに備えなきゃと思ってやっています」と話した。こういう声もあったにも関わらず、民主党の総選挙に向けた準備は進んでいなかったということになる。民主党は年明け早々代表選挙を行うが、来年こそは党の再建を実行に移せる態勢を整える必要がある。

 ○第2位 小渕優子元経産相「決して『他人事』だという思いではありません。本当に申し訳ないのですが、私自身がわからない事が多すぎます」

 「うちわ」問題で辞任に追い込まれた松島元法相。宮沢経産相には「SMバー」問題など、“政治とカネ”をめぐるスキャンダルが今年は発覚した。中でも一番の痛手となったのは、政権の「目玉女性閣僚」だった小渕元経産相に浮上した疑惑だった。

 小渕元経産相がいかに秘書に任せっきりだったかを表す発言で、女性初の首相候補という声もあっただけに、その政治資金のずさんな管理は驚きだった。

 また政治とカネといえば、今年は渡辺喜美元みんなの党代表の8億円借り入れ問題もあった。渡辺氏は今回の選挙で落選という衝撃的な結果になった。国民に消費税などで負担を強いなければならない今、政治資金には高い透明性が求められている。

 第三次安倍内閣が24日に発足するが、また閣僚に政治とカネの問題が出てくることはないのか。それが来年、安倍首相が安定した政治ができるかの一つの鍵を握っている。

 ○第1位 安倍首相「本年4月には17年ぶりに消費税率を引き上げました。消費税率引き上げによる消費の落ち込みも一時的なもの」

 今年4月、8%に上がった消費税。当初はこの冬に10%への引き上げも決まる予定だった。しかし、消費の“冷え込み”で経済は失速。安倍首相は再増税の「先送り」を決断した。その安倍首相が今年7月に語っていた発言が今年のランキング、第1位となった。

 7月の段階では消費の落ち込みは一時的だと考えていたが、この後、消費の落ち込みで4月以降のGDPは2四半期連続のマイナス成長に陥った。安倍首相は周辺に「財務省は言っていることが全然違う」と嘆いていたが、見通しが甘かったことは否めない。この後、来年10月の消費増税の先送り、そして、アベノミクス継続の是非を争点とした解散総選挙に突き進んでことになった。

 総選挙でアベノミクスは継続という結果になったが、選挙に圧勝したからこそ、来年こそは賃上げと消費の回復によって景気の好循環のサイクルが回り始めないと、安倍首相の実行力に疑問符がつきかねない。安倍首相の経済政策は来年正念場を迎える。