×

マクドナルド、あすからポテト「S」のみに

2014年12月16日 20:42
マクドナルド、あすからポテト「S」のみに

 日本マクドナルドでは、17日から当面、マックフライポテトがSサイズのみの販売となる。

 マックフライポテトは、大きい方からL、M、Sと3つのサイズがある。それが17日から当面Sサイズのみの販売になるという。これによって、「バリューセット」や「昼マック」についてくるMサイズのポテトはSサイズに変更され、価格は50円値引きされる。対象は、全国の全ての店舗。

 街中には「Sサイズでは足りない」という人も。それぞれのサイズにはどのくらいの違いがあるのだろうか。

 マクドナルドによると、Lサイズは171グラム、Mサイズは135グラム、Sサイズは74グラムが目安となっている。例えば、いつもLサイズを食べている人が17日から同じ量を食べるためには、Sサイズのポテトを2.3個買わなくてはいけない。

 首都圏などではSサイズは1個154円、Lサイズは1個308円で販売されている。仮にSサイズのポテト2.3個で計算すると354円となり、Lサイズ1個より割高になってしまう(実際に2.3個では販売されていない)。

 なぜ、ポテトがSサイズのみの販売になってしまうのだろうか?

 日本マクドナルドPR部・長谷川崇マネジャー「(Q:原料が不作?)そういう理由ではございません。アメリカからのポテトの輸入が遅れているのが原因です」

 原因は、ポテトの輸入先のアメリカにあった。

 現在、マクドナルドでは、アメリカのワシントン州などで収穫・加工されたポテトをシアトルなど西海岸の港から船で日本に運んでいる。しかし、西海岸の港では今、海運会社などで作る団体と労働者の団体との間で、給料などを巡る労使交渉が長期化。そのため船にポテトを積み込む作業が滞り、必要な量が日本に送れない事態になっている。

 今回の労使交渉について、農作物輸送業界の団体は「(この状況が続く場合)西海岸の港やアメリカの供給業者の信頼が下がる」「それはアメリカの農作物輸送業にとっては深刻な問題だ」と話す。

 このため、現在マクドナルドでは、航空機で1000トン以上を空輸。さらに、西海岸ではなく東海岸から船便で約1600トンを輸送する緊急措置を実施する。しかし、これまで通り十分な量を確保できず、このままでは年末年始にポテトの販売ができなくなる可能性もあることから、当面Sサイズのみの販売を決めた。

 日本マクドナルドPR部・長谷川崇マネジャー「(ポテトは)マクドナルドが創業当初から販売しているメニューで、多くのお客さまに今でも愛されている商品です。一日も早く安定的に供給できるように、できる限りのことをしていきます」

 ピンチを迎えたポテト。この影響はマクドナルドに限ったことではなかった。

 マクドナルドと同じようにアメリカの西海岸から船便でポテトを輸送していたロッテリアでも、ポテトの確保ができなくなったことから、東海岸からの船便に急きょ変更。さらに、韓国のロッテリアとも連携して、十分な量のポテトを確保したという。

 一方、すかいらーくグループは、緊急で約250トンのポテトを空輸して対応している。また、ポテトが割引になるクーポンの配布を取りやめたという。

 17日からSサイズのみの販売となるマクドナルドのポテト。アメリカ西海岸の労使交渉は決着の見通しが立っておらず、いつまでSサイズのみの販売になるのか未定のままだ。