３年前のエジプトの政変でデモ参加者を弾圧した罪に問われていたムバラク元大統領に対し、エジプトの裁判所は２９日、事実上の無罪判決を言い渡した。

　エジプトのムバラク元大統領は、３年前の民主化デモの際、デモ参加者の殺害に関与した罪に問われ、２０１２年に終身刑の判決を受けたが、これを不服として審理のやり直しを求めていた。２９日の判決公判で、裁判長は「この裁判でムバラク氏を裁くべきではない」などと述べ、公判を無効と判断、ムバラク氏に事実上の「無罪判決」を言い渡した。

　今回の判決に、ムバラク氏の支持者たちは喜びに沸く一方、当時のデモ参加者らが反発するのは必至で、衝突などに発展する可能性が懸念されている。