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火口付近の観測強化など緊急提言まとめる

2014年11月28日 16:32
火口付近の観測強化など緊急提言まとめる

 戦後最悪の火山災害となった御嶽山の噴火を重く見た火山噴火予知連の検討会は、水蒸気噴火の前兆をつかむため、火口近くでの観測を強化することを柱とする緊急提言をまとめた。

 火山噴火予知連絡会の検討会がまとめた緊急提言では、予測が難しい水蒸気噴火の前兆現象をつかむため、火口付近の熱活動や噴気の変化を監視する火口カメラを整備するなど、観測施設の増強を気象庁に求めている。一方で、施設の整備には時間と費用がかかるため、すぐにできることとして、山小屋など日頃から山を見ている人などから、異変を伝えてもらうためネットワークの強化をすべきとしている。

 検討会の座長で九州大学の清水洋教授は、「水蒸気噴火の予測は難しいが、手も足も出ない訳ではない。火口近くで複数の観測をおこなえば高い確率で予兆をつかめる」と述べ、観測体制の強化を求めた。

 さらに検討会では、現在、気象庁が24時間監視する47の常時監視火山に入っていない活火山のうち、青森県の八甲田山、青森県と秋田県にまたがる十和田、それに長野と富山にまたがる弥陀ヶ原の3つの火山を常時監視の対象にするように求めた。この3火山では、地震活動が活発になったり、噴気温度が上昇したりするなど、ここ数年、異常現象が見られるという。