×

産経前ソウル支局長 起訴内容を全面否認

2014年11月27日 14:40
産経前ソウル支局長 起訴内容を全面否認

 韓国の朴槿恵大統領の名誉を傷つけたとして起訴された産経新聞の前ソウル支局長に対する初めての裁判が27日、韓国・ソウルで開かれ、前支局長側は起訴内容を全面的に否認した。

 産経新聞の加藤達也前ソウル支局長は法廷で、「韓国の状況をありのままに伝えようとした」と述べ朴大統領を中傷する意図はなかったと主張した。

 加藤前支局長は朴大統領が旅客船沈没事故の当日に男性と会っていたとのうわさがあると8月に報道、これが名誉毀損(きそん)罪に問われた。検察は、起訴状の朗読で「加藤氏は、朴大統領を中傷しようと心に決め記事を書いた。内容はすべて虚偽だった」などと述べた。これに対し、加藤氏の弁護士は記事には「公益性」があったとして起訴内容を否認。全面的に争う姿勢を示した。

 最後に意見を求められた加藤氏は「赴任以来、韓国に深い愛情と関心を持ってきた。朴大統領をひぼうする意図は全くない。裁判が法と証拠に基づいて厳正に進められることを期待し、誠実に臨みたいと思う」と述べた。

 法廷では、右翼団体の男二人が加藤氏に「謝罪せよ」と叫んで退出させられ、終了後には、加藤氏の乗った車に卵を投げつけるという一幕もあった。

 韓国の最高裁は3年前に「悪意があるか著しく相当でない限り、メディアによる公職者の名誉毀損は成立しない」と判断している。次回の裁判は来月15日に行われるが、今後、検察が加藤氏の悪意を立証できるかが焦点となる。