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巨大台風から1年、比・レイテ島の今

2014年11月8日 18:07

 フィリピンで死者・行方不明者7300人余りの被害を出した台風の上陸から8日で1年になる。最大の被災地・レイテ島では朝から追悼の式典が行われている。現地から山崎大輔記者が報告する。

 高潮でほとんどの家が流された村にきている。ここの住民はまた村に戻り、それぞれ空き地を見つけて勝手に家を建てて住んでいる。陸には高潮で打ち上げられた貨物船もそのままとなっており、1年たった今でも台風の爪痕が残っている。

 レイテ島の最大都市・タクロバンでは市内で亡くなった約2700人が埋葬された集団墓地で追悼の礼拝が行われ、遺族や多くの住民が参加して祈りをささげた。

 街の中心部は復興が進んでいるが、高潮の被害を受けた沿岸部では、今でもテント生活を強いられている人々がいる。政府は海岸から40メートル以内を「危険地帯」として住むことを禁止しているが、現在も、約3000世帯が生活を続けている。

 住民に話を聞くと、「他に行く場所がなく、どうしようもない」などと、みな一様に疲れた表情で政府への不満を口にしていた。政府による新たな住宅の建設も、予算不足のためほとんど進んでおらず、国際社会の支援頼みというのが現状だ。