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スコットランド独立せず…投票結果が確定

2014年9月19日 17:43

 イギリス北部・スコットランドの独立の賛否を問う住民投票の結果が判明した。300年以上続いた連合の枠組みはどうなるのか。世論調査で接戦が予想され世界が注目した住民投票だったが、ふたを開けてみれば独立を求める声は伸び悩み、イギリスは連合王国としての形を維持した。

 投票結果は日本時間19日午後に確定し、反対が55.3%、賛成が44.7%となった。投票率は84.6%と高い数字だった。これを受け、スコットランドはイギリスの一部として残ることになった。

 イギリス・キャメロン首相「4つの“国”が1つのまま残るという明確な意思表示だ。数百万の人々と同じく、私もうれしい」

 「住民投票を許したこと自体が失策だ」とも指摘されていたキャメロン首相は、胸をなでおろした様子で喜びをあらわにした。

 一方、賛成派を率いてきたスコットランド自治政府・サモンド首相「スコットランドは現時点で、独立国家とならないことを選択した。民主的決断を受け入れるよう市民に呼びかけたい」と潔く敗北を認め、市民に結果を受け入れるよう求めた。

 独立賛成派は通貨ポンドを使い続けられるのかという通貨問題やEU(=ヨーロッパ連合)に加盟できるかどうかなど、主に経済面での懸念材料を最後まで払拭(ふっしょく)しきれなかった。

 今後は、キャメロン首相が自治権の拡大をどの程度認めるか、そして連合としての結束を早期に取り戻せるかが焦点になりそうだ。