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通貨・安全保障…独立に様々な課題 英

2014年9月19日 0:00

 国家分裂の可能性に揺れるイギリス。スコットランドは独立を選ぶのか?それともイギリスに残る道を選ぶのか?大接戦が続く中、いよいよ迎えたまさに「運命の日」。

 日本時間午後3時、住民投票が始まるとスコットランド住民が次々と投票所に詰めかけた。

 【独立賛成派】スコットランド自治政府・サモンド首相「独立投票は人生最大の機会だ。我々はチャンスをものにしなければならない」

 【独立反対派】英・ブラウン前首相「イギリスとスコットランドは一緒に平和を築き、医療制度や福祉国家もつくってきた。未来も一緒につくっていこう」

 賛成が上回れば約300年ぶりに独立を果たすスコットランド。しかし様々な課題もある。

 海外への輸出額が年間約7500億円に上るスコッチウイスキー業界。EU(ヨーロッパ連合)に加盟できるかどうか、不透明なことなどを理由に独立反対を表明した。

 独立後の通貨にも不安が残る。スコットランドは現在の通貨・ポンドをそのまま使うとしているが、イギリスは認めない考えで、双方の経済が混乱するおそれがある。

 キャメロン首相も独立賛成派を牽制した。

 英・キャメロン首相「独立すれば同じ通貨(ポンド)は使えなくなる。もし私のことが嫌いでも、私は永遠に首相ではない。政権だって永遠には続かない。でもイギリスから独立すれば、それは永遠の別れになる」

 一方、スコットランドが独立すれば、イギリスは安全保障戦略の練り直しを迫られる。現在は、スコットランドの基地に配備されている原子力潜水艦。イギリス唯一の核ミサイルを搭載しているが、独立賛成派は「核兵器を持たない国」を主張。もし独立すればイギリスは核兵器の移転を迫られることになるのだ。

 なお続く運命の住民投票。独立賛成票が反対票を1票でも上回ればイギリスは分裂する。