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虐待死4割超が0歳児 望まない妊娠背景も

2014年9月19日 13:44
虐待死4割超が0歳児 望まない妊娠背景も

 2012年度に児童虐待で死亡した子どものうち、4割以上が0歳児で、望まない妊娠などが背景にあることが厚生労働省の専門委員会(虐待事例検証委員会)の分析でわかった。

 虐待事例検証委員会によると、2012年度の虐待事例で、死亡した子どもは51人で、前年度比で7人減。身体的な虐待が32人(62.7%)、育児放棄によるものが14人(27.5%)だった。死亡した子どもの年齢は、0歳が22人と最も多く、4割以上を占める傾向が続いている。そして、死亡例のうち、33.3%の母親が、妊婦検診を受けておらず、虐待の背景に「望まない妊娠」があるという例も27.5%だった。

 虐待事例検証委員会は、望まない妊娠や経済的困窮が背景にあるとして、妊娠や出産に関する相談体制の充実や、産婦人科の病院から自治体による福祉支援につなげる体制などが必要だとしている。

 また、死亡例について、児童相談所と市町村など関係機関の連携が「なかった」とする例が約7割に上ることから、児童虐待の情報共有のために、各市町村に設定されている協議会を強化すべきとしている。