ＮＡＴＯ（＝北大西洋条約機構）の首脳会議が４日、イギリスで開幕する。政権側と親ロシア派の激しい戦闘が続くウクライナ情勢を巡るロシアへの対応が焦点。

　会議は日本時間４日午後８時前に開幕し、アメリカのオバマ大統領やヨーロッパ各国の首脳の他、ウクライナのポロシェンコ大統領も出席する。依然戦闘が続くウクライナ東部の情勢を巡り、ロシアを念頭に、２日以内に派遣できる数千人規模の即応部隊を設置することや、ウクライナのＮＡＴＯ加盟などについて話し合う予定。３日にはフランスがこの秋に予定されていたロシアへの強襲揚陸艦の納入を延期する考えを示すなど、欧米側はロシア包囲網を強めている。

　ＮＡＴＯ・ラスムセン事務総長「ロシアが停戦に深い関心を持っているとは思えない。ウクライナ東部を不安定化させ続けたいだけだ」

　これに対し、ロシアのプーチン大統領は３日、政権側と親ロシア派が停戦の進め方について近く合意できると述べ、７項目の和平案を提示した。しかし、政府軍だけが撤退するよう求めていることから、ウクライナ側は「親ロシア派を保護するための計画のようなものだ」と強く反発しており、停戦が実現するかは不透明。