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日本技術を世界に売り込め!英・航空見本市

2014年8月1日 14:46
日本技術を世界に売り込め!英・航空見本市

 先月、イギリス・ロンドン郊外で、世界最大級の航空見本市が開かれ、多くの日本企業が世界に売り込みを図ろうと出展した。石川真史記者が取材した。

 ロンドン郊外で2年に1度開かれる「ファンボロー航空ショー」。1週間の期間中に、世界中から約10万人が訪れる世界最大級の航空見本市だ。ボーイングやエアバスなど航空機メーカーがこぞって最新型の旅客機を投入。一方で、民間機のほかに軍用機も数多く展示された。

 石川記者「アメリカ空軍の戦闘機に並んで、こちらには最新鋭のF35のモデルが展示されています」

 中でも注目を集めたのは、最新鋭のステルス戦闘機「F35」の実物大モデルだ。日本の自衛隊も導入を決めたF35は、1機あたり約100億円。操縦席はどんな様子なのだろうか。

 石川記者「操縦席と言うと、丸い計器やスイッチがたくさんあるのを思い浮かべますが、こちらは大きいタッチパネルがあるだけです」

 モデルなのでパネルは動かないが、レーダーや敵の戦闘機の情報などが表示され、スマートフォンのように触って操作が可能だという。

 また、F35はパイロットがかぶるヘルメットも特別だ。ヘルメット上部には小型のプロジェクターがついており、バイザー内側に周りの景色や戦闘機の状況を映し出すことができるとういう。

 一方、見本市は世界の航空産業にとって重要な商談の場となっている。日本航空機開発協会予測によれば、民間航空機の市場は今後、成長が続き、20年間で450兆円を超えると予測されている。

 見本市には世界から1500を超える企業が出展。日本からは過去最高の20社がブースを構えた。

国産初のジェット旅客機「MRJ」を開発中の三菱航空機は、客室の実物大模型を展示。漆を使った仕切りや、富士山をイメージした模様の天井などで、日本らしさをアピールしている。

 三菱航空機・小川太郎さん「MRJは同クラスで一番高いキャビン高(機内の高さ)で幅も最大です。広さに関してはお客様から好評をいただいています」

 また、自治体が企業の海外進出を後押しする動きもあった。埼玉県は、高い技術力を持つ県内企業5社の出展を支援。小惑星探査機「はやぶさ」に部品を供給したネジメーカーや、金属の塊からヘルメットを削り出す技術を持つ企業などが出展した。

 埼玉県産業振興公社・高野正則さん「国内に拠点を残しながら海外に出て行って、海外から仕事を取ってくるのは、日本のモノ作りにとっても重要なことだと思っています」

 数日の期間中にも大手メーカーとの商談が始まるなど成果が出つつあるという。

 世界の最先端技術がしのぎを削る航空見本市。市場が拡大する中で日本の挑戦も求められている。