９月に行われる見通しの内閣改造で、安倍首相が石破幹事長に対し幹事長を交代させ、安全保障法制の担当大臣への起用を打診していたことがわかった。

　「私が総理と話したことを他に話すべきだとは思っていない。打診があったとかなかったとか、私は一度も口にしたことはない」－石破幹事長は２９日の会見でこのように述べたが、２４日に安倍首相と石破幹事長が２人で会った際に担当大臣への打診がなされたものとみられる。

　安保法制の担当大臣は、集団的自衛権の行使を限定的に可能とする先の閣議決定を受けて、９月第１週に行われる見通しの内閣改造の際に新設されるポスト。安倍首相としては、安保政策の専門家である石破氏を起用することで国会審議を乗り切りたいとの狙いがあるとみられる。

　安倍首相周辺は「安全保障は石破氏のライフワークだから自負もあるだろう」と話している。

　ただ石破氏は周辺に対し、「来年の統一地方選に向けてやってきたことを途中で投げ出すわけにいかない」と漏らすなど幹事長留任を希望しており、まだ調整はついていない。