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カメラ回る数分間…安倍政権批判繰り広げる

2014年7月26日 1:41

 日韓関係改善の糸口になるか注目されていた東京都の舛添要一知事と韓国の朴槿恵大統領の会談。笑顔で握手を交わす場面もあった一方、カメラが回っていた数分の間に朴大統領は安倍政権への批判を繰り広げた。

 25日朝、韓国・ソウルの川沿いを散策した舛添知事は、朴槿恵大統領との会談を前に強い意気込みを見せていた。

 舛添知事「少しでも日韓関係の改善に役立てれば。安倍総理のメッセージもお伝えする」

 そして、25日午前11時頃から大統領府で行われた40分の会談…

 朴大統領「けさは散歩もされて良い時間を過ごされたと聞いています」

 舛添知事「幸い雨も上がりましたので、これはもう大統領のおかげです」

 会談は和やかなムードでスタートしたが、その直後…

 朴大統領「一部の政治家の不適切な言動で、両国の関係が悪化しています」

 カメラが撮影する冒頭5分ほどの間に、朴大統領は安倍政権への批判を繰り広げた。

 朴大統領「特に慰安婦問題は両国のみならず女性の普遍的な人権に関する問題なので、真心ある努力で解決できると期待しています」

 いわゆる従軍慰安婦問題など、歴史認識問題の解決なしには日韓関係の改善はないというこれまでの姿勢を改めて示した。

 関係の冷え込みが長期化している日本と韓国。今年3月にはアメリカ・オバマ大統領の仲介で日米韓3か国の首脳会談が行われた。しかし、安倍首相が韓国語で語りかけたのに対し、朴大統領は目を合わさず表情を崩さなかった。

 個別の日韓首脳会談が実現するメドが立たない中、安倍首相から関係改善に向けたメッセージを託された舛添知事と会談した朴大統領。会談に応じた狙いはどこにあるのか。

 ソウル支局・坂口賢二記者「朴大統領としては、舛添知事との会談に応じることで、『日本との対話を拒否している』という印象を打ち消そうという狙いがありそうだ。一方、会談の冒頭で歴史認識の問題に触れることで、これまで同様、歴史認識の問題では譲らない姿勢を印象づけた形だ。日本側が更なる対応を取らない限り、日韓首脳会談の開催は難しいと言えそうだ」

 一方、朴大統領が改めて歴史認識問題を取り上げたことについて菅官房長官は「いつも言ってらっしゃることじゃないでしょうか。特段『え!』という思いは全くないです。前提条件なしに首脳が会うこと、そこは極めて大事」と述べている。

 関係修復の道筋は依然、見えていない。