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首相は“名”公明党は“実” 集団的自衛権

2014年6月13日 18:29
首相は“名”公明党は“実” 集団的自衛権

 集団的自衛権をめぐる与党協議が大詰めを迎えている。13日朝の協議で、自民党の高村副総裁は行使を容認する閣議決定の文書のたたき台となる私案を示した。

 高村氏の私案には集団的自衛権の行使を可能にする新たな要件が盛り込まれた。私案では、これまで示されていた「我が国の存立が脅かされる」という要件に加え、新たに「国民の生命、自由が根底からくつがえされるおそれがある」場合という表現が盛り込まれた。より限定することで、行使の条件を厳しくすることを求めていた公明党に歩み寄った形。

 公明党・北側副代表「従来の政府見解との論理的整合性をはからないといけないということは、一貫して山口代表はじめ私どもは言ってきているわけで。それに対する高村座長なりの一つの答えのたたき台として出されたんだろう」

 一方で、私案は、日本以外の「他国に対する武力攻撃が発生」した場合という表現で、あくまで集団的自衛権の行使ができることを明記した。

 今回の私案について、公明党幹部の1人は「安倍首相は、集団的自衛権という名を取り、公明党は限定をさせるという実を取った。これしかない」と話している。ただ、歩み寄りの機運が出てきたとはいえ、公明党内の手続きには時間がかかる見通しで、安倍首相が目指す今の国会中の閣議決定は困難な情勢。