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米露首脳、仏式典で9か月ぶりの顔合わせへ

2014年6月6日 18:06

 第二次世界大戦の戦況を大きく変えた「ノルマンディー上陸作戦」。ナチスドイツの占領下にあったフランス・ノルマンディー海岸に、アメリカなど連合軍が攻め入った作戦だ。毎年、多くの首脳が記念式典に参加するが、70年目となる今回の式典には、アメリカ・オバマ大統領とロシア・プーチン大統領が同席し、約9か月ぶりに顔を合わせる。ウクライナ情勢を巡り、冷戦以来、最悪の関係ともいわれる両国。緊張を解くきっかけは生まれるのか。現地から小島康裕記者が報告する。

 70年前、この海から連合軍の兵士13万人が上陸した。この後の式典には、作戦に参加した国々の首脳が招かれているが、その中にはオバマ大統領、プーチン大統領の名前もある。各国の首脳は会場となるスタンドの一角にある狭いエリアに席を並べる予定。ロシアと欧米との対立が深まる中、どのような順番で座るのか、言葉を交わすのか、注目されている。

 5日夜、プーチン大統領の動きはあわただしかった。まずはイギリス・キャメロン首相と会談したが、これが3月にロシアがクリミア半島の編入を宣言して以来、初めての欧米首脳との会談となった。さらにその後、フランス・オランド大統領とも会食している。

 5日まで開かれていたG7(=先進7か国)首脳会議では、ロシアに対する追加制裁も検討されたので、そのことを巡って意見交換したものとみられる。

 ノルマンディーの式典にはウクライナ・ポロシェンコ次期大統領も招かれていて、プーチン大統領との対話が実現するかどうかも注目される。

 一方、もう一人のキーパーソンであるオバマ大統領との会談はまだ予定されていない。この後の式典、あるいはその前の昼食会で何らかの接触があるのかどうか。それ次第では、関係改善に向けて歯車が回り始める可能性がある。