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政治の街・ワシントンで幽霊に会える!?

2014年5月30日 15:10
政治の街・ワシントンで幽霊に会える!?

 ワシントンというとホワイトハウスがあり、政治の街として知られているが、今、ちょっと変わった観光ツアーが人気となっている。

 本格的な夏を前に、首都ワシントンは多くの観光客でにぎわいを見せている。オバマ大統領も22日、「去年は7000万人がアメリカを訪れたが、これを毎年1億人に増やしたい」と、外国人観光客の誘致にさらに力を入れる考えを明らかにした。2021年の年末までに外国人観光客を年間1億人に増やすため、入国手続きを簡単にするなどの取り組みを行うということだ。

 外国人観光客にも人気の高い“ワシントン記念塔”。今月、約3年ぶりに一般公開された。高さ169メートルのこの記念塔は、初代大統領ジョージ・ワシントンの業績をたたえ、1884年に建造された。しかし、3年前に起きた地震で亀裂が入ったため閉鎖し、修復が行われていた。展望室の北側の窓からは、ホワイトハウスとワシントンの街が一望できる。ベルギーからの観光客は「エンパイアステートビルやロックフェラーセンターも良かったが、ワシントン記念塔の方が素晴らしい」と語っていた。

 続いて“リンカーン記念館”。第16代エイブラハム・リンカーン大統領の功績をたたえて作られた。夜になると建物がライトアップされ、リンカーン大統領の像が照らし出される。このようにワシントンでは、夜になると建物がライトアップされるため、夜景を鑑賞するツアーが人気を集めているが、中には、ちょっと変わったツアーも存在する。

 時刻は午後9時を過ぎた頃、行われるのはなんと“幽霊ツアー”だ。政治の街、ワシントンには暗殺された大統領や、処刑された暗殺犯など幽霊にまつわる言い伝えが数多く残されている。こうした言い伝えを聞きながら、ゆかりのある建物をめぐるツアーなのだ。取材したこの日、一行が訪れたのは最高裁判所。すると、幽霊ツアーのガイドが参加者に説明を始めた。

 「ここでは女性の笑い声が聞こえるというのです。笑い声に加えて女性の泣く声も聞こえるというのです。メアリー・サラットの幽霊が泣いているというのです」

 メアリー・サラットは、1865年、リンカーン大統領の暗殺を共謀したとしてアメリカではじめて処刑された女性だ。彼女の泣き声が最高裁判所で聞こえるという。

 次に向かったのは、連邦議会。日本の国会議事堂にあたる場所だ。ガイドによるとこういう“いわく”があるようだ。

 「暗殺されたガーフィールド大統領の幽霊が議会の廊下をさまよっているというのです」

 第20代ガーフィールド大統領は、1881年に就任してから約4か月で銃で撃たれ、闘病の末、亡くなった。一時、遺体が安置された連邦議会の廊下をさまよう姿が目撃されるのだそうだ。

 約1時間のこのツアーでは、写真をとることをすすめられる。撮影した写真の中に、幽霊のエネルギーである色とりどりの光が映り込むことがあるのだとか。幽霊ツアーの参加者からは「少しドキドキする場所もあった。写真に何か映りこんでいたらいいなと思う」「とても面白かった。歴史にまつわる話を聞くのが好きなので」という声を聞くことができた。

 アメリカの歴史も学ぶことができる幽霊ツアー。ワシントンを訪れた際に、参加してみるのはいかがだろうか?