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あすウクライナ大統領選、親露派の妨害も

2014年5月24日 20:03

 大規模デモから2月に政権が崩壊し、今も分離・独立をめぐる混乱が続くウクライナで25日、大統領選挙が行われる。東部では親ロシア派が妨害行為をエスカレートさせており、公正な選挙が実施できるのか危ぶまれている。

 大統領選挙には、計21人が立候補していて、今後ヨーロッパとロシア、どちらとの結びつきを強めていくのかが最大の争点となっている。

 事前の世論調査では、国内最大の菓子メーカーを経営するポロシェンコ氏が44.6%と、2番手のティモシェンコ元首相らを大きく引き離し、圧倒的にリードしている。ポロシェンコ氏は、暫定政権の親EU路線を継承し、EU加盟を目指す一方で、「3か月でロシアとの関係を正常化させる」と明言、ウクライナのNATO(=北大西洋条約機構)入りに否定的な考えを示すなど、ロシアへの配慮も打ち出している。

 ヤヌコビッチ政権崩壊のきっかけとなったデモが行われたウクライナ首都・キエフ中心部の独立広場には、半年以上がたった今も一部の人が残っている。

 キエフ市民「政治経済を安定させるために、ロシアとの関係が重要だ。ポロシェンコ氏ならできると期待している」「ウクライナが変わるまでここに居続けます」

 一方で、親ロシア派による妨害行為が続く東部のドネツク州とルガンスク州では、投票が実施できるのかどうか不安が残っている。ウクライナ中央選管によると、これら2つの州に3700か所ある投票所のうち、約1850か所で投票ができない状態だという。

 また、親ロシア派が州庁舎などを占拠するドネツク市では、まったく投票ができない状況も想定されることから、中央選管は市内から離れた空港に選挙管理委員会を移し、投票を行うことを決めたが、これも親ロシア派に阻止されるなど、混乱の中での大統領選になりそうだ。