×

福島第一原発 汚染前地下水を海へ放出

2014年5月21日 11:42
福島第一原発 汚染前地下水を海へ放出

 福島第一原発で汚染される前の地下水をくみ上げ、海に放出する「地下水バイパス計画」は21日午前、くみ上げた地下水が海に放出された。

 「地下水バイパス計画」は、原子炉建屋に流れ込み、汚染される前の地下水を建屋の山側にある井戸でくみ上げ、海に放出するもの。国と東京電力は県や地元の漁協組合などの了解が得られたとして、21日午前10時25分、第三者機関を含めた検査で東京電力独自の放射性物質の運用基準を下回った地下水560トンを海に放出した。

 本格操業に向け、試験的な漁を続けている福島県内の漁師は複雑な思いを語った。

 相馬市の漁師・高橋通さん(59)「ついに来たなという感じ。流させたくはないんですけど、苦渋の選択と身を削られる思い」

 これで1日300トンペースで増え続けている汚染水を最大で100トン程度減らせる見通しで、東京電力では今後、週一回のペースで地下水を放出していく方針。