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反中国デモ ハノイやホーチミンで当局警戒

2014年5月18日 20:25

 南シナ海の領有権を巡り中国と対立しているベトナムでは18日、全土で反中国デモが呼びかけられているが、今のところ大規模なデモが行われたとの情報はない。

 首都・ハノイの中国大使館前には、18日、約500人が集まったが、治安当局は周辺を立ち入り禁止にし、参加者は警察の求めに応じて解散した。また、最大都市・ホーチミンではデモ参加者の一部が警官隊ともみ合いとなり、警察に連行される場面もあった。

 反中国デモは18日午前、ベトナム各地で実施することがインターネット上で呼びかけられていたが、現時点で大規模なデモが行われたとの情報はない。先日、デモ隊の一部が暴徒化し、死傷者が出たことを受け、ベトナム政府は工場の破壊など違法行為には厳正に対処するとしていて、デモ隊の動きに警戒を強めている。

 一方、ベトナムでのデモや襲撃を受け、中国人の帰国の流れが進んでいる。新華社通信によると、中国政府の支援によって、17日午後までにベトナムから帰国した中国人は3000人に上るという。18日午前には、襲撃を受けてケガをした中国人らがチャーター機でベトナムから帰国した他、中国政府は、中国人の帰国を支援するため、船舶5隻をベトナムに派遣したという。

 また、中国外務省は18日、談話を出し、「中越間の交流と協力の雰囲気と条件が損なわれた」とした上で、中国人のベトナムへの渡航の自粛を呼びかけるとともに、両国間の交流計画の一部を中止すると発表した。