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中国系企業に焼き打ち…日系企業巻き添えも

2014年5月14日 20:45

 南シナ海での領有権争いがさらに深刻化している。ベトナム南部で複数の中国系企業の工場が焼き打ちにあうなどの襲撃を受けた。また、日系企業少なくとも7社も、ガラスを割られるなど巻き添えになった。

 ベトナムの複数のメディアによると、ホーチミン近郊の工業団地などで13日から14日にかけて、中国系の縫製工場が焼き打ちにあったほか、中国や台湾など少なくとも15の企業が資材を略奪されるなどの被害を受けたという。この工業団地には日系企業も多く入っており、電線などを扱う「フジクラ」の現地子会社がガラスを割られるなどして操業を一時停止するなど、少なくとも7社が巻き添えとなった。

 ホーチミンの日本商工会は、「日本の国旗を掲げて自衛するように」などとアドバイスしている。また、ホーチミンの日本人学校は15日の休校を決めたという。

 一方、中国外務省は14日、会見で「中国は関係事件に対し深刻な懸念を表明する」と話し、13日夜、中国にいるベトナム大使を呼び出し抗議したと明らかにした。

 中国版ツイッター「ウェイボー」には、中国企業のものとみられる工場に人々がおしよせ、フェンスを倒したり、火を放ったりする様子が投稿されている。

 駐ベトナム中国大使館は、ベトナムの中国企業と従業員に対し安全防衛策をとり、必要のない外出を控えるよう呼びかけている。