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ブラヒミ氏、今月中に辞任の意向固める

2014年5月8日 8:08

 内戦が続くシリアで和平交渉に当たっている国連とアラブ連盟のブラヒミ合同特別代表が、今月中にも辞任する意向を固めたことが分かった。

 国連の外交筋によると、ブラヒミ特別代表は先週末に潘基文国連事務総長と会談し、「交渉進展への道筋が描けなくなった」として辞意を伝えたという。

 今年1月と2月にはブラヒミ氏らの仲介の下、アサド政権側と反体制派が和平協議を行ったが、双方の溝は埋まらず協議は中断、ブラヒミ氏は「シリア国民に対して心から申し訳なく思う」と失望をあらわにしていた。さらに、ブラヒミ氏の反対にもかかわらず、アサド政権が来月の大統領選挙の実施を決めたため、協議の再開が難しくなったことも、辞任を決めた要因となったとみられている。

 ブラヒミ氏の前任のアナン前国連事務総長も、和平交渉に行き詰まり2年前に辞職していて、今回の辞任によって和平への道のりは一層、険しさを増すことになる。