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米・フィリピン“新軍事協定” 中国けん制

2014年4月28日 16:55

 アジアを歴訪中のアメリカのオバマ大統領は、日本時間28日午後、最後の訪問国となるフィリピンに到着した。両国はこれに先立ち、アメリカ軍がフィリピン国内の基地を活動拠点とできる新たな軍事協定に調印した。

 新たな軍事協定は、オバマ大統領のフィリピン到着に先立ち、28日午前、調印された。アメリカ軍は1992年にフィリピンから全面撤退したが、その後、中国が南シナ海への進出を強め、フィリピンやベトナムなど東南アジア諸国と島の領有権をめぐって対立を深めている。

 協定は10年間有効で、アメリカ軍にフィリピン国内の基地の使用や一時的な駐留を認めており、アメリカはフィリピンを事実上、軍事的な拠点とすることが可能になる。

 アメリカのローズ大統領副補佐官は、「協定は、中国への抑止力のために結ぶわけではない」としながらも「地域に安定を与え、緊張の高まりや対立を避けることに寄与する」と述べており、中国をけん制する狙いがあるものとみられる。