×

米・比、中国をけん制か 新軍事協定に調印

2014年4月28日 12:19

 アメリカとフィリピンは、アメリカ軍がフィリピン国内の基地を活動拠点とできる新たな軍事協定に調印した。南シナ海で海洋進出を進める中国をけん制する狙いがある。

 新たな軍事協定は28日午後からのオバマ大統領のフィリピン訪問に合わせて調印された。アメリカ軍は1992年にフィリピンから全面撤退したが、その後、中国が南シナ海への進出を強め、フィリピンやベトナムなど東南アジア諸国と島の領有権をめぐって対立を深めている。

 協定は10年間有効で、アメリカ軍にフィリピン国内の基地の使用や一時的な駐留を認めていて、アメリカはフィリピンを事実上、軍事的な拠点とすることが可能になる。

 アメリカのローズ大統領副補佐官は「協定は、中国への抑止力のために結ぶわけではない」としながらも、「地域に安定を与え、緊張の高まりや対立を避けることに寄与する」と述べており、中国をけん制する狙いがあるものとみられる。