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大きな成果を挙げることができた~安倍首相

2014年4月25日 12:36
大きな成果を挙げることができた~安倍首相

 TPP(=環太平洋経済連携協定)をめぐる日米協議が合意に至らないまま、オバマ大統領は25日午前、日本を離れた。

 TPP協議が合意しなかったことについて、安倍首相は25日午前、次のように述べた。

 安倍首相「TPP交渉全体にとって、キーマイルストーン(カギとなる節目)となる大きな成果を挙げることができたと思います。今後、日米がリーダーシップを発揮して、TPP交渉が妥結していくように、他の参加国に働きかけていく、そういうリーダーシップを発揮したい」

 一方で安倍首相は25日午前、発表された共同声明で、「尖閣諸島に日米安保条約が適用される」と明記したことなどについて、「アジア太平洋地域の平和と安定に主導的な役割を果たしていくと示すことができた」と述べた。首脳会談ではオバマ大統領が「尖閣諸島の防衛義務」を初めて明言するなど、安全保障分野では成果があった。それだけに、TPP交渉でもせめて大筋合意まではいけるのでは、という声もあったが、結局はまとまらなかった。

 麻生財務相「TPPの方で言わせれば、これだってどのみち、11月の中間選挙まで答えは出ないだろう。国内でオバマ大統領が全部まとめきれるほどの力、今ないだろう」

 来日初日の23日夜、すし店での食事の際、オバマ大統領は「私より安倍首相の方が支持率が高いのだから、ぜひ譲歩してほしい」などと迫ってきたという。複数の安倍首相周辺によると、24日の首脳会談の際にも、日本側は、たとえ合意しなくても「前進した」といった表現で共同声明を発表すればいいと考えていた。しかし、オバマ大統領が会談の場で「閣僚協議を続けさせよう」と提案してきたということで、アメリカ側があくまでも合意にこだわっていたことがうかがえる。

 日米の首脳が会談してまでも合意には至らなかったことで、今後、TPPをめぐる全参加国による交渉の行方も流動的になりそうだ。