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管制センターとのやり取り公開 韓国船事故

2014年4月21日 1:53

 韓国の旅客船沈没事故で、事故対策本部は20日、沈没前の旅客船と珍島にある海上交通管制センターとの交信記録を新たに公開した。

 公開された交信記録によると、沈没したセウォル号は16日午前9時過ぎ、船体が傾き動けなくなったと連絡。管制センターは乗客の救助を促した。

 セウォル号「船内放送は不可能です」

 管制センター「不可能でもできる限り乗客に救命胴衣を、また厚着させるようにしてください」

 しかし、この後も乗客への適切な避難指示はなかったとみられ、捜査当局はすでに船長ら3人を逮捕している。捜査関係者によると、3人とは別のある乗組員は、事情聴取に対し「非常事態時に行う安全教育を受けたことがない」と話してるという。

 一方、海上から沈没したセウォル号に続くロープが5本設置されたことで、船内の捜索が本格化している。海洋警察は20日、船内から16人の遺体を収容。確認された死者の数は58人となったが、船内での生存者は発見されていない。

 こうした中、行方不明者の家族のいらだちが高まっている。捜索を指揮する海洋水産相が事故現場に近い港を訪れると、一部の家族がつめより、政府への怒りをぶつけた。家族が待機する体育館では過労などによる体調不良で、19日だけで170人が診察を受けた。遺体の損傷が進まないうちに早く引き上げて欲しいと訴える人も増えていて、家族の心労は限界に達している。