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22遺体を収容、死者58人に 韓国船事故

2014年4月20日 20:29

 韓国の旅客船沈没事故では、いまだ240人以上が行方不明となっており、現地では船内の捜索が本格化している。事故現場に近い港から山崎大輔記者が報告する。

 港には、家族や捜索関係者のために携帯電話の充電サービスやボランティアによる水や食料の提供が行われている。多くのテントが張られていて、家族が待機するテントなどもある。

 事故対策本部によると、捜索活動は本格化している。20日、新たに22人の遺体が発見され、午後6時現在で死者は58人、行方不明者は244人となった。船内での生存者は発見されていない。

 一方、海洋警察は20日、沈没前のセウォル号と珍島海上交通管制センターとのやり取りを新たに公開した。船体が傾くセウォル号に対し、海上交通管制センターは乗客の救助を促しているのが分かる。

 (16日午前9時23分頃)

 セウォル号「現在、船内放送は不可能です」

 海上交通管制センター「不可能でもできる限り乗客に救命胴衣を、また厚着させるようにしてください」

 事故原因を調べている合同捜査チームは、乗客への適切な避難指示はなかったとみて船長ら3人を逮捕し、調べを進めている。

 20日で事故発生から5日を迎え、家族の疲労はピークに達している。家族が待機する体育館では、過労などによる体調不良で19日だけで170人が診察を受けている。難航する捜索に家族のいらだちが高まっており、一部の家族が抗議のためソウルの大統領府に向かう構えを見せ、警官隊と小競り合いとなった。遺体の損傷が進まないうちに早く引き上げてほしいと訴える家族も増え、現場は重苦しい雰囲気に包まれている。