韓国の珍島周辺で大型旅客船が沈没した事故で１９日、行方不明者らの家族に船内の映像が公開された。

　公開されたのは沈没したセウォル号の内部映像で、視界が悪い中、照明を使い捜索を行っている様子が分かる。行方不明者の家族の代表者が捜索にあたっているダイバーに撮影を依頼したもので、１９日未明から１９日朝にかけ撮影されたという。

　映像を見た家族の中には「なぜ、生存者を見つけられないのか」と海洋警察の担当者に怒りをぶつける人もいて、「私たちの子どもを全部引き揚げて。大事な子どもをみんな殺しておいて、一体何をやっているの」という声も聞かれた。

　一方、海洋警察は１９日午前、水中で捜索に当たっていたダイバーが１９日朝、船の４階部分でガラス窓越しに、３人の遺体を発見したことを明らかにした。事実だとすれば船内で遺体が見つかったのは初めてで、ダイバーらはガラス窓を割るなどして遺体の収拾を試みているという。

　一方、事故原因の究明にあたっている合同捜査チームは、船長のほか事故当時に船を操縦していた三等航海士、操舵手の３人を逮捕した。業務上の任務を怠り乗客を死亡させたりケガをさせた疑い。

　操舵手「（Ｑ：通常より急に舵（かじ）をとったのか）いいえ。普段より舵が大きく動きました。私がミスした部分もあるが、異常に早く舵が回った」

　今回の事故はセウォル号の急な針路変更によって引き起こされたとみられるが、捜査当局はこれが人為的なミスなのか、それとも船に問題があったのか、詳しく調べることにしている。事故発生から４日目、捜査当局は捜索活動とともに事故原因の究明を急いでいる。