日本を訪れているモルディブのヤーミン大統領は安倍首相と会談し、地上デジタル放送の日本方式を採用すると表明した。

　日本以外で地上デジタル放送の日本方式を採用したのは、モルディブが１５か国目となる。モルディブはインド洋に位置する海洋国家で、日本政府はこれまで携帯端末向けの放送で「津波警報」を送れる点などをアピールし、日本方式の採用を働きかけてきた。

　安倍首相「大統領からは、地上デジタル放送の日本方式採用が表明されました。南アジアでは初めての日本方式採用であり、大統領の決断を多いに歓迎したい」

　採用決定を受けて安倍首相は、無償資金協力により日本方式の導入を支援するため、モルディブに調査団を派遣すると表明した。

　また、両首脳が発表した共同声明では、中国の海洋進出を念頭に、航行の自由や紛争の平和的解決の重要性を確認。「威圧的な手段による現状変更の試みは看過されるべきではない」と強調している。