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大統領代行「ドネツク州で対テロ作戦開始」

2014年4月15日 18:36

 ウクライナ情勢をめぐり、東部の都市では親ロシア派による政府庁舎の占拠が続いている。ウクライナ暫定政府側は、立ち退かない場合、軍を投入して強制排除に乗り出すと警告していた。日本時間15日午後、ロシアの通信社などは、暫定政府側が「対テロ作戦」を開始したと伝えた。

 ウクライナ東部では、14日の強制排除に踏み切る期限が過ぎた後も、複数の都市で親ロシア派が建物を占拠する事態が相次いだ。暫定政府のトゥルチノフ大統領代行は15日朝の議会で、「東部のドネツク州で反テロ作戦を開始した」「目的は我が国を分裂させる試みを止めさせることだ」と述べた。ただ、作戦は「段階的に行う」としていて、具体的な場所や方法は明かしていない。

 このタイミングで作戦開始に踏み切った経緯はまだ明らかになっていないが、暫定政権はこれまで何度もデモ隊の強制排除を行うと言いながら着手せず、親ウクライナ派の住民から強い反発も招いていたことも背景にある。

 首都・キエフでは15日朝も強制排除を求める集会が議会の前で行われた。ただ今回、強制排除作戦に踏み切ったことで、親ロシア派の市民に犠牲が出ればロシアがそれを口実に限定的な軍事介入に乗り出す恐れもある。

 17日にはアメリカ、ロシア、EU(=ヨーロッパ連合)を交えた4者協議が予定されているが、その行方も含め15日の発表で事態はますます複雑化してきている。