×

台湾で個人が勝手に…京都老舗店を商標申請

2014年4月15日 21:18
台湾で個人が勝手に…京都老舗店を商標申請

 日本企業の商標などが海外で無断で登録されるトラブルは、これまでにも度々起きているが、台湾で、京都の人気抹茶スイーツ店のロゴマークなどが、無断で商標申請されていたことが分かった。

 京都で江戸時代から続く宇治茶の老舗「丸久小山園」。抹茶のロールケーキなど抹茶スイーツが大人気だ。しかし、社名とロゴマークが台湾で無断に商標登録の申請が出されていることが分かり、老舗問屋の信頼を揺るがしかねない危機に直面している。

 他にも、抹茶スイーツで有名な「茶寮都路里」や「中村藤吉本店」の社名やロゴマークも、同じように台湾の個人が申請している。

 なぜ、台湾で京都の老舗問屋の商標を勝手に登録しようとする人が出てきたのだろうか。実は今、台湾では、若い人を中心に京都の抹茶がブームになっているという。

 登録商標問題に詳しい渥美元幸弁理士に話を聞いた。

 「(Q:台湾でなぜ、このような動きが?)台湾の方が、日本の京都の宇治のお店を知って、台湾で(商標)登録されていないんだったら、自分でとっておこうという考えを持ったのか…宇治の会社が進出してくることを防ごうという考えなのか…」

 過去には、中国・上海でも同じような問題が起きていた。

 関西で人気のチーズケーキを販売する「りくろーおじさんの店」とそっくりな名前の「りくろーおじいさんの店」が中国国内で展開されていた。この「りくろーおじいさん」は、中国の会社がすでに商標登録をしていたため、問題発覚後も営業をやめさせることはできなかった。

 外国で、すでに商標が登録されている場合、日本の会社が海外進出を果たすためには、自らの手で商標を買い戻されなければならない。

 宇治茶の老舗問屋が日本で築き上げてきた信頼は守られるのだろうか。

 渥美弁理士「道義的には許されないことだと思いますが、法律的には登録が認められてしまうということになってしまいます。台湾でどれだけ『茶寮都路里』(など)の商標が有名であるか、名が知られているかにかかってくると思います。その証明ができれば登録を防ぐことは可能かと思いますが、それを証明するのはなかなか難しい」

 宇治茶の老舗問屋など3社は、商標を登録しないよう求める上申書を台湾政府に提出している。