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日朝政府間協議を前に日本側に緊張感

2014年3月30日 0:34

 1年4か月ぶりとなる日本と北朝鮮の政府間協議が30日から、2日間の日程で中国の北京で始まる。拉致問題の再調査をめぐり激しい綱引きが行われることになりそうだ。

 29日に現地入りした北朝鮮側の協議代表を務める宋日昊・日朝交渉担当大使は、記者団に次のように語った。

 宋日昊担当大使「何を議題にし、どのような話し合いをするかは、協議してみないと分からない」

 その上で、日本側が求める拉致問題の再調査については、「日本の政権が代わっているので協議してみる」と話し、議題とすることは拒まない姿勢を示した。

 一方、宋大使に同行する劉成日課長は、横田めぐみさんの娘であるウンギョンさんが来日する可能性について次のように言及した。

 劉成日課長「(Q:ウンギョンさんが日本で家族と会う可能性は?)人権問題ですから、日朝関係が改善されれば、いくらでも可能でしょう」

 今月、モンゴルで横田めぐみさんの両親と孫のウンギョンさんが初めて面会したが、劉課長は、関係が進展すればウンギョンさんが日本に行くことも可能だとの見方を示したもの。

 こうした日本との対話に前向きなメッセージを発した北朝鮮側とは対照的に、日本外務省の伊原純一アジア大洋州局長は、硬い表情のまま、記者団の問いかけには一切応えなかった。

 伊原局長は28日、拉致被害者家族と面会し、「拉致問題解決へのきっかけで、大きなチャンス。つながっていくように、ぜひ、お願いしたい」と要望を受けており、協議を前に緊張感が漂っている。

 30日からの協議では、北朝鮮側から拉致問題の再調査に向けてどこまで前向きな対応を引き出せるかが焦点となる。