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北朝鮮側代表、拉致問題の議題拒まない姿勢

2014年3月29日 19:02

 1年4か月ぶりとなる日本と北朝鮮の政府間協議が30日から、2日間の日程で始まる。中国・北京には29日、双方の交渉担当者が到着する。北京支局の玄昶日記者が報告。

 30日からの協議では、拉致問題の再調査をめぐり日朝の激しい綱引きが行われることになるとみられる。

 宋日昊担当大使「何を議題にし、どのような方向に話し合いを進めるかは、協議してみないとわからない」

 北朝鮮側の協議代表を務める宋日昊担当大使は、日本側が求める拉致問題の再調査については、「日本の政権が変わっているので協議してみる」と話し、議題とすることは拒まない姿勢を示した。

 一方、宋日昊担当大使に同行する劉成日課長は、横田めぐみさんの娘であるウンギョンさんが来日する可能性について次のように語った。

 劉成日課長「(Q:ウンギョンさんが日本で家族と会う可能性は?)日朝関係が改善されれば、いくらでも可能でしょう」

 横田めぐみさんの両親である滋さん、早紀江さん夫妻は、今月、孫のウンギョンさんとモンゴルで初めて面会したが、劉課長は、関係が進展すればウンギョンさんが日本に行くことも可能だとの見方を示したもの。

 去年11月に取材で平壌を訪れた際、ある北朝鮮外交官は、「日本との関係が進展せず失望している」と話していた。逆の見方をすれば、日本との関係改善にかける北朝鮮の期待は大きいのだと言える。北朝鮮としては、今回の協議で、拉致の再調査に応じる姿勢をちらつかせながら、見返りとして、日本の経済制裁の解除などを強く要求するものとみられる。