ハイテク機器の製造に欠かせない「レアアース」の輸出を不当に規制しているとして、日本などが中国を訴えていた問題で、ＷＴＯ（＝世界貿易機関）は日本などの主張を全面的に認める報告書を公表した。

　この問題は中国がレアアースなどの輸出について不当に輸出税を課すなどしているとして、日本とアメリカ、ＥＵ（＝ヨーロッパ連合）がＷＴＯに提訴していたもの。ＷＴＯの紛争処理小委員会は２６日、中国の措置は、ＷＴＯの議定書違反などとする報告書を公表した。

　中国側は、輸出規制は資源と環境保護のためと主張、今後、中国が上訴すれば、上級委員会での審理が始まる。

　これを受けて茂木経済産業相は談話を発表、「我が国の主張が全面的に認められた」と歓迎した上で、「中国が早期に輸出規制を是正することを強く求める」と強調している。

　一方、アメリカ通商代表部も２６日、「今回の勝利で、中国の措置がＷＴＯの規定に反していたことがはっきりした」と評価した。これに対し、中国政府は、「遺憾に思う」とした上で、今後、決められた手続きに従い、対応していくとしている。