政権が崩壊したウクライナでは２７日、新たに暫定内閣が発足する予定。しかし、ロシアとのつながりが深い南部などでは親ロシア派と新政権を支持するグループによる小競り合いが起きている。

　ウクライナの首都・キエフでは２６日夜、新政権の閣僚候補者の顔ぶれが発表された。暫定首相には、ヤヌコビッチ大統領の政敵で欧米路線を掲げるティモシェンコ元首相の側近、ヤツェニュク氏が指名された。２７日の議会で承認するか審議が行われる。

　一方、南部・クリミア半島では、ウクライナからの独立を求める住民と新たな政権を支持するグループが議会の前でもみあいとなった。対立が激化すれば情勢が再び不安定化する恐れもある。

　こうした中、ロシアはウクライナ国境周辺を管轄する軍の部隊が２６日から軍事演習を行うことを明らかにした。新体制作りを後押しする欧米諸国をけん制する狙いもあるものとみられる。