×

米大統領、一般教書演説で経済格差是正訴え

2014年1月29日 12:46

 アメリカのオバマ大統領は日本時間29日午前11時過ぎ、今年一年の施政方針を示す一般教書演説を行った。今年は特に内政問題、経済的な格差の是正などに力点を置いている。ワシントンから近野宏明記者が中継。

 去年、議会の抵抗で思うように政策を実現できなかったオバマ大統領は「今年を行動の年にしよう」と訴えた。秋の中間選挙に向け、中間層の支持を取りつけることを最大の主眼にしている。

 オバマ大統領は、連邦政府の契約職員の最低賃金引き上げなど経済的な格差縮小や雇用、教育機会の拡大などを打ち出した。中間層の支持を狙ったもので、議会の協力が得られない場合には「大統領令」を発動する方針を示す。野党・共和党の反発は織り込みながらも、自らがリーダーシップを発揮する姿勢を強調する。

 一方、外交分野ではイランの核問題での成果を強調、外交による解決を模索すべきだと改めて訴える。去年の演説で批判した北朝鮮をはじめとする東アジアの地域情勢には触れないもよう。

 オバマ大統領としては、秋の中間選挙で上下両院とも過半数を割り、政権の求心力を失うことは何としても避けたいところで、国民にアピールしやすい経済政策を中心に訴えている。狙い通り世論の支持をつなぎとめられるのか。今年は試練の年となる。