インドを訪問中の安倍首相は全ての日程を終え、２７日に帰国の途につく。通常国会召集直後という多忙な時期の訪問の狙いは、何だったのか？

　インドを訪問した一つの理由は、経済的な結びつきの強化。インドは、日本の新幹線システムの導入を検討するなどインフラ整備を進めている。今回、安倍首相自ら、精力的にトップセールスを展開した。もう一つは中国の存在。インドは日本と反対側から中国と国境を接する大国。今回、国家安全保障会議の谷内局長とインド側との定期協議の立ち上げで合意した。また日本の首相として、初めて「共和国記念日」の式典に参加したこともインドとの関係強化の狙いがある。

　こうした中、安倍首相は先に訪問したスイスで、今の日中関係を第一次世界大戦前のイギリスとドイツの関係になぞらえたことについて「発言を聞いていただければ、何の問題もなかったことが分かっていただける」と釈明した。今回のインド訪問を含め積極的な外交活動が続く安倍首相だが、中国、韓国との関係改善に向けては手探りの状況が続いている。