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沖縄・名護市長選 稲嶺氏の勝因は?

2014年1月20日 1:44
沖縄・名護市長選 稲嶺氏の勝因は?

 アメリカ軍普天間基地の移設問題を最大の争点とした沖縄県名護市の市長選挙で、名護市辺野古への移設反対を訴えた現職の稲嶺進氏が、移設推進を掲げた新人の末松文信氏を退け、再選を果たした。稲嶺氏の選挙事務所から、那覇支局の佐藤拓記者が報告する。

 稲嶺氏の勝利は、辺野古移設に向けた政府や自民党の強行姿勢に、市民が強く反発した結果といえる。自民党本部は去年、普天間の「県外移設」を公約していた沖縄県連を辺野古容認に方針転換させた。年末には仲井真知事が、辺野古の埋め立て承認に踏み切ったわけだが、この過程で深まった政府や知事への不信感が、稲嶺氏への支持を高めた。選挙戦でも、自民党の石破幹事長らが末松氏の応援に入り、移設に協力した場合の振興策を強調したことが、かえって市民の反発を高めたといえる。

 当選した稲嶺氏は、港や河川の管理権など、市の持つ権限を使って、移設に向けた国の作業に異議を唱える考えを示しているが、実際にどの程度、作業の進ちょくに影響が出るかは未知数。ただ、今回の選挙結果で、仲井真知事に対する県民の批判が高まることは必至で、11月にも行われる知事選挙への影響も予想される。